ホンダ・フィットの追従クルーズコントロールと車線維持ステアリングは進化した最新版

本線に合流してすぐさまターゲットになるクルマを見つけてロックオン(ACCをセット)します。ほぼ同時に車線を示すアイコンが白くなり、LKASが起動したことを確認。ステアリングに手を添えつつ、そのままクルマに任せて走り出します。

そうすると、いい意味での違和感を覚えます。ステップワゴンやフリードで味わってきたLKASは、旋回中に「ヒクヒク」とステアリング操作を行なう印象を受けましたが、フィットのLKASはビシッと一発で舵角を決めるのです。安心して任せられると思えるほどの完成度なのです(手放し運転は厳禁です、あしからず)。

気のせいかと思い、開発エンジニアに確認すると「フィットにマッチングさせるために様々なシチュエーションでホンダセンシングのセッティングをしています。けっして他モデルから移植したようなお手軽なものではないのです」とのこと。

フィットだから特別に注力したというのではなく、ACCやLKASのセッティングは日々進化しているだけに「最新が最良」という傾向もあるようですが、いずれにしても、積極的にLKASのスイッチを入れておきたくなる仕上がり。

単に先進安全装備を付けたのではなく、リアルワールドで使いたくなる機能を与えられた新型フィット。比較的、高速巡航燃費に有利なシステムを積んでいることもあり、コンパクトクラスのハイブリッドカーとしては随一の高速ツアラーといえる走りを身に着けたといえそうです。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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