V90クロスカントリーは、ワゴン派生型SUVらしいゆったりした乗り味で、路面からのコツコツとした小さな振動を抑制しつつ、ストローク感のある走りが楽しめます。
XC90も乗り心地自体は決して悪くありませんが、タイヤのトレッドの硬さを感じさせるコツコツとした振動が伝わってくる印象でしたので、V90クロスカントリーではそうした傾向が抑制されていて好感が持てました。
日本導入時に試乗した「V90 T6 AWD Inscription(320ps)」と比べてもややゆったりした乗り心地。今回試乗した「T5(254ps)」は、T6よりも66ps/50Nm及びませんが、低速域からトルク感があり、ターボラグもあまり感じさせませんから加速感に不満もありません。
絶対的な速さやスポーティなハンドリングはV90 T6 R-Designには譲りますが、乗り味や走らせやすさなどバランスの良さが光るV90クロスカントリー。こちらがV90シリーズの本命といえるかもしれません。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)