ハミルトン今季2勝を果たすと同時に、フェラーリが号泣少年を笑顔にした粋な計らいとは?【2017F1第5戦スペインGP】

次のスティントで最初に動いたのはメルセデス。37周目でハミルトン選手がソフトタイヤに履き替えます。そしてその翌周にミディアムタイヤに交換したベッテル選手は、ピット出口でハミルトン選手とサイドバイサイドに! リヤタイヤを接触させる程の激しい戦いの末、ベッテル選手はなんとかポジションをキープしました。

1周あたりのタイムがソフトタイヤより1秒遅いと言われているミディアムタイヤを履いたベッテル選手は、ハミルトン選手を何としても抑えなくてはいけません。一方のハミルトン選手はソフトタイヤはグリップの低下が早いため、一刻も早くベッテル選手をパスしたいところ。

 

44周目、ハミルトン選手がメインストレートでベッテル選手に近づき、1コーナーでアウトからオーバーテイク! ゴールまでタイヤを保たせ、見事今シーズン2勝目をあげました!!

これでハミルトン選手2勝、ベッテル選手2勝。チャンピオンシップポイントも6ポイント差に縮まり(ベッテル選手104ポイント、ハミルトン選手98ポイント)。ますますチャンピオンシップ争いが面白くなってきましたよね。

実はこのスペインGPで、誰よりも(もしかしたらドライバーよりも!?)注目された少年がいました。

オープニングラップでライコネン選手がリタイアした直後、国際映像に映し出された号泣するフェラーリファンの少年。ファンであるライコネン選手のリタイアがどれほど残念だったのでしょうか、見ているこちらも悲しくなってくるほど、大粒の涙を流しています。

しかし、少年の夢のような出来事は、この瞬間から始まったのです。

レース後半、画面は突然フェラーリのモーターホームへ。なんと、先程の少年とその家族がライコネン選手と一緒にいるではないですか! 少年はライコネン選手から直接キャップを被せてもらい、記念撮影。さっきまでの泣き顔と180度違う、最高の笑顔です! そして普段クールなライコネン選手もとっても優しい笑顔で、見ているこちらも感動して貰い泣きしそうにそうになりました。

この粋な計らいは、国際映像を見たフェラーリのスタッフが少年を笑顔にしたいと探しだし、実現したのだそうです。

私達ファンにとって、憧れのF1ドライバーと会って話をすることは夢のような出来事。このような素晴らしいサプライズでファンとドライバーの距離が近くなり、F1をもっと身近に感じられる機会が増えるといいなと思いました。

ライコネン選手のリタイアは残念でしたが、こんなにも心が温まるグランプリは今まで見たことなかったかも!? 「新しいF1」の誕生の瞬間を見ることができたような、素晴らしいスペインGPでした!

スペインGPリザルトは以下の通りです(ポイント圏内のみ)。

順位/No./ドライバー/チーム
1/#44/ルイス・ハミルトン/メルセデス
2/#5/セバスチャン・ベッテル/フェラーリ
3/#3/ダニエル・リカルド/レッドブル
4/#11/セルジオ・ペレス/フォースインディア
5/#31/エステバン・オコン/フォースインディア
6/#27/ニコ・ヒュルケンベルク/ルノー
7/#55/カルロス・サインツJr/トロ・ロッソ
8/#94/パスカル・ウェーレイン/ザウバー
9/#26/ダニール・クビアト/トロ・ロッソ
10/#8/ロマン・グロージャン/ハース

(yuri)

この記事の著者

yuri 近影

yuri

2006年のF1日本GPを観に行ってから、どっぷりF1&ジェンソン・バトンにはまってしまったF1女子。F1が大好きですが、車の運転は下手(小林編集長お墨付き)、メカニズムも苦手、だけどドライバーの知識と愛だけは自信あり! もっと気軽にF1を楽しんでもらいたい、好きになってもらいたいという気持ちで執筆活動をしています。
趣味はバトンの追っかけと、F1海外観戦。現在は新米ママとして子育てに奮闘しながら、のんびり記事を更新中。あたたかーい目で見守っていただけると嬉しいです。
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