EV度を増した、三菱・アウトランダーPHEVの「深化と課題」とは?【公道試乗】

プラグインハイブリッドとしてのパワートレーンの出来の良さは、世界に誇れるものとなっていますが、いくつか気になるのが、重いバッテリーを搭載する影響が乗り心地やハンドリングから感じられること。

これは、2015年6月のマイナーチェンジ時でも確認済みでしたが、電動車両によく見られるバタバタとした乗り味、そしてコーナリング時にリヤが重いためか、「ワンテンポ」遅れて曲がっていく癖があることです。簡単に言うと、ステアリングを切っただけ素直に曲がってくれずに、切り足す感覚が求められます。

これが軽くてバランスのいいガソリン仕様であれば、両方ともにある程度改善されているはずで、元々ガソリン車を想定したアウトランダーをPHEV化した泣き所でもあります。

今回のマイナーチェンジでは、ダンパーの構造見直し、減衰力の最適化などが図られていて、試乗車の「S Edition」にはビルシュタイン製ダンパーが採用されていますが、「バタバタ」とする乗り味は完全には払拭されてないようです。

この乗り味とハンドリングについては、スムーズなPHEVのパワートレーンの高い完成度からすると些末な点ではありますが、この点が解決されれば世界トップクラスの完成度を誇るPHEVにまで昇華するはず。なにせ高速道路に入ってもバッテリーが残っていれば、EVそのもののパワフルなモーター走行は感動すら覚えるからです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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