【SUPER GT2017】SUBARU BRZ R&D SPORTは大進化でチャンピオンを目指す

SUPER GTのGT300クラスでも異彩を放つ存在といえるSUBARU BRZ R&D SPORT。

毎年改良を重ねているところは2017年シーズンも同じですが、4月8~9日に開催の開幕戦岡山では、それまでのテスト走行でも見せることの無かった大きな変更が話題となりました。

その変更点とはリアウイングの取り付け方法。スワンネックと呼ばれる取付けステーの形状により吊り下げ式となったリアウイングですが、この狙いはウィング下面をすべて使えるところ。ステーの上に置くタイプではステーが邪魔して実質85%程度しか使えなかったウイング下面が100%使えるようになったことでダウンフォースを増やすことが出来るのです。

ウィングでダウンフォースを発生させるには上面を押さえつけ、下面で吸い上げるというのが基本的な考え方ですが、最近はこの下面の空気の流れが重要視されているのです。

開幕戦前の3月中に行われた岡山、富士の公式テストで明らかになっているトランスミッションの後輪車軸直近への搭載位置の変更、いわゆるトランスアクスル化により重心の最適化を行い、リアウイングのスワンネック化と相まって後輪の荷重を増す方向でのアップデートが施されています。

この改良点については概ねの成果を得たようで、総監督の辰己英治さんによると「まだ走り込みが足りないから正しい評価ではないが、ドライバーには好評で固いコンパウンドのタイヤを選んでもタイムが出しやすいと言っている」とのことです。

ライバルに比べてピークパワーが足りないともお話くださいましたが、そこを補って余りある改良の成果であったのでしょう。開幕戦岡山の予選では6位の位置につけています。

開幕戦決勝、スタート前のグリッドでは井口選手も終始笑顔。マシンに手応えを感じていなければ出来ない表情です。

グリッドでのチームの雰囲気は和やかで、決勝ではもっと上に上がることができるという自信が溢れていました。

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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