主力車種に成長した初代CX-5が、僅か5年でフルモデルチェンジした理由とは?

■開発コンセプトはすべての領域を”1クラス上にする

これらを裏付けるのが、新型CX-5の「すべての領域を”1クラス上にする”」というコンセプトでしょう。しかしながら次世代のプラットフォームを採用するならともかく、今回のように基本的なメカニズムを踏襲する条件では、かなりの難題のはず。児玉主査の自身、「従来の個別開発なら、胃に穴があいたかも?」と吐露しています。

長年マツダは「人馬一体」のドライビングを突き詰めようと、切磋琢磨を積み重ねてきました。更に初代CX-5から始まった「新世代商品群」以降、マツダは個々の技術が最初から全車種に適用できるように開発する「一括企画」を推進しています。

そのため技術陣が「担当する部品が良いだけでなく、クルマとしてどうなのか」を深く考えるようになったとのこと。つまり部分最適と全体最適の両方の意識が、マツダの文化として定着し、開発の原動力になっているのですネ。

ただ「言うは易し、行うは難し」で、良いとわかっていてもそうはいかないのが人の常ですが、本部長以上が全員参加した試乗会では「みんなが同じ方向を向いて仕事したことが、クルマに乗っていて分かる」と複数の分野の人から評価されたとのこと。

このエピソードを聞くだけでも、マツダの一枚岩振りと新型CX-5の良いクルマ感がビンビン伝わってくるようです。

(星崎 俊浩)

【関連リンク】

第547弾CX-5のすべて(より深く知りたい方はこちらがオススメ)
http://3a.as-books.jp/books/info.php?no=NMS20170214