もちろんエンジンのメニューはパワーアップ、軽量化だけではありません。より理想的な混合気を生成するべく、インマニと燃焼室の両方に噴射装置を備えたデュアルインジェクションを採用。
さらに、排気側にも「アウディバルブリフトシステム」が採用されています。スロットル開度や負荷に応じてバルブ開閉(時間)をコントロールすることで、低・中間負荷領域では燃料消費を抑制し、全負荷領域ではパワーとレスポンスを向上させるというもの。
エンジンの軽量化も含めて「新欧州ドライビングサイクル(NEDC)」において、8.3L/100kmを達成しています。これは、CO2排出量に換算すると189g/kmに相当。なお、欧州のC02排出量規制は、2015年で130g/km、2021年には95g/kmとなるそうですからハイパフォーマンスモデルのさらなる燃費削減や電動化(PHV)なども進みそうです。
トランスミッションは、DCT(デュアルクラッチトランスミッション)の7速Sトロニックで、駆動方式はフルタイム4WDのクワトロ。電子制御油圧式の多板クラッチが前後のアクスルに駆動力を可変配分するシステムで、スポーティに走れば走るほど、リヤアクスルに伝えられる駆動トルクの割合が大きくなります。
RS3スポーツバックのクワトロ・システムは、ステアリング、Sトロニック、エンジンマネージメント、エグゾーストの可変フラップ、オプションのアダプティブダンパーコントロール付きRSスポーツサスペンションの制御とともに、標準装備される「アウディドライブセレクト」に統合。さらに「ホイールセレクティブ トルク コントロール付きESC」と同車用にチューンされたスポーツモードがRS3の走りを最大限引き出します。
足まわりは、4リンク式リヤサスペンションをはじめ、A3から25mmローダウンされたタイトなサスペンション設定が特徴で、A3よりも前輪のトレッドが20mm拡幅されています。これによりホイールアーチも大型化され、全幅も拡大。19インチの鋳造アルミホイールと235/35サイズのタイヤが標準装備され、ブレーキは310mm径の大径ディスクが用意されます。
さらに、オプションでカーボンファイバーセラミック製のディスクをフロントに装着することも可能で、後輪には310mm径のブレーキディスクが装備されます。日本での発売時期や価格はまだ未定のようですが、シャープになったボディラインと、大幅なパワーアップなどによりアウディのファンから熱視線を浴びることは間違いないでしょう。
(塚田勝弘)
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