トヨタは世界にWRC復帰を待望されていた!【今さら聞けない!ラリーのイロハ・その3】

TTEは’87年にスープラ(A70)、そして’88年にセリカGT-FOUR(ST165)を投入。黄金期が訪れます。

’90年にカルロス・サインツがトヨタドライバー初のドライバーズタイトルを獲得。さらに、新型セリカ(ST185)を投入した’92年にもサインツはタイトルを獲得しました。

翌’93年はユハ・カンクネン、’94年にはディディエ・オリオールと3年続けてドライバーズタイトルを獲得、’93、’94年にはマニュファクチャラーズとのWタイトルを獲得しました。

しかし、94年より投入された新型セリカ(STT205)は大きくなったボディがコンパクト化の時流に沿わず、熟成も遅延。そして’95年に吸気装置(リストリクター)の重大な違反により、年間ポイントの剥奪と翌’96年一杯の出場禁止を受けます。

翌年よりチームは2年間WRCへの出場を見合わせた後、’98年に新規定ワールドラリーカーに合わせた新車、カローラWRC(E110)で本格復帰を果たします。

開幕戦モンテカルロでサインツが復帰戦を勝利で飾ると、最終戦までマニュファクチャラー・ドライバーの両タイトルを争います(共に年間2位)。翌’99年にマニュファクチャラータイトルを獲得すると、参戦が発表されていたF-1の車両開発に注力するため、WRCから撤退しました。

それから18年の時を経て、ヤリスWRCで待望のWRCの舞台への復帰となりました。

トヨタのラリー活動は、WRCが日本で開催された期間は参戦を休止していたせいか、国内では認知度が低い様です。しかし黎明期より30年以上にわたり、世界の第一線で活動・実績を上げています。

豊田社長が、今回の復帰にあたり「『いつラリーに戻って来るんだ?』と聞かれる」と言っていたのは、40以上の勝ち星とマニュファクチャラータイトル獲得3回の活躍を目の当たりにしていた海外ではごく当たり前の反応だったんですね。

以前、豊田社長は「出たり入ったりしない」と、参戦の継続性もアピールされていました。いきなり結果を出しましたが、これからもTOYOTA GAZOO Racing WRTの活躍に期待しない訳には行きません。

(川崎BASE)

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