注目の「1KR-VET」型の1.0Lターボは、低イナーシャターボ、カムタイミング・作用角最適化で高出力化が果たされているほか、高熱負荷対応として、エキマニフランジやブロックボアの冷却強化などが盛り込まれているそう。また、高乱流エネルギー変換、浅皿ピストンの採用などで燃費対策が施されています。
CVTも専用チューン済みで、最終減速比のローギヤード化により軽快な加速フィールを引き出しているほか、電子制御スロットルの制御を見直すことで力強い走りが必要なシーンに対応したとしています。
確かにターボモデルは、過給ラグも比較的抑えられていて、中・低速域の力強さを感じさせます。ただ「平坦な街中で2人乗車」という条件下であればNAエンジンでも流れに乗るのはそれほど難しくありません。
軽自動車よりも重いといっても車両重量は1.1t程度なので、1.0L NAエンジンでもこうしたシーンでは力不足と断ずる状況には遭遇しませんでした。
しかし、流れが速い郊外路や高速道路を走ったり、勾配の多い地域に住んでいるのならターボの過給は心強いはずで、4人乗車が多かったり、荷物をたくさん乗せて遠出するのであれば、2.8km/Lのカタログ燃費の差に目をつぶっても選ぶ価値は高そう。
また、同じような速度フィールを引き出すにしても、過給が始まればアクセルもNAエンジンほど強く踏み続ける必要もなく、運転の仕方によってはカタログ燃費の差も縮まる可能性があります。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)