突然の雪へ備えだけじゃない、オールシーズンタイヤのオンロードでの性能

走り始めて最初に感じたのは、路面の凹凸に対する当たりはソフトだが、芯はしっかりしているなということだった。そもそもランフラットタイヤを履いているBMWだが、ランフラットでないタイヤというだけで乗り心地にはアドバンテージがある。

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トレッドパターンは完全な夏タイヤと比べると溝やサイプも多いからブロック剛性は弱めだが、回転方向指定のデザインによってドライ路面でのグリップを確保している。この辺がしっかりしていると感じた部分だ。ブレーキングに対してもまったく普通に効き始めるし、ブレーキペダルの圧力に応じて制動力も素早く変化してくれる。コーナリングもトレッド面でのグリップ力とサイドウォールの強さにより、ヨレヨレした感じがまったくなく夏タイヤに劣らない。スタッドレスタイヤより格段にしっかりした感じで曲がっていくから安心だ。

ハンドルの手応えと応答性に関しても不満はない。直進時のセンター付近のフィーリングは遊びがあまりなく、切り込んでいくとスムースにノーズは向きを変えていく。直進状態から切り始めたときの手応えは、オリジナルの夏タイヤよりはマイルドな印象だが、ベクター4シーズンズハイブリッドの感触も良かった。コーナリング中にさらにハンドルを切り込んだとしても、ヨーの動きはちゃんとついてくる。

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夏タイヤとしての性能は、スポーツタイヤのようなハイグリップを求めなければ、必要にして充分なレベルにある。逆にマイルドな感覚は乗りやすいと思える面もあり、多くのドライバーに好まれるだろう。