メキシコはアメリカより人件費が安く、日本を含む世界の主要自動車メーカーは「NAFTA」の恩恵により、米国にクルマを関税無しで輸出できることから、メキシコに組立工場を建設しており、付随する関連部品メーカーも相次いで進出しています。
トランプ氏は、こうした状況が自国労働者の雇用を奪っているとして協定を見直し、メキシコからの輸入に高い関税を課すことを訴えてきました。
しかし、「NAFTA」の活用においては、GM、フォード、クライスラーも近年メキシコでの生産を強化しています。
米フォードのマーク・フィールズCEOは「高い関税が自動車産業全体にかけられればアメリカ経済は大きな影響を受けるだろう」と懸念を示しており、トランプ氏に政策の修正を働きかけていく考えを示しているそうです。
トランプ氏が選挙戦を勝ち抜くために主張してきた数々の持論を政権発足後にそのまま行使するかどうかは大いに疑問が残るところ。
また、自国の国益を最優先する方針に変わりが無いとすれば、米国に進出した日本の自動車メーカーが、現地で多大な雇用を生み出し、現地の材料を使って、アメリカ人の手で製造、販売している状況では、かつてのような日本車バッシングのような事態は起きないものと予想されます。
むしろ、懸念されるのはトランプ政権が保護主義を強め、米国内での「クルマの地産地消」を促進することで現地生産化がさらに進み、日本からの輸出が減少することで国内生産が減り、国内の雇用に影響が出ることかもしれません。
いずれにしても、こうした状況を踏まえ、引き続き来年の米国新政権発足後の動きを注視する必要がありそうです。
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