もう「箱」とは言わせない! ─ 新型フリードのダイナミック・デザインとは?(前編)

── サイドに移ります。先代のキャラクターラインはフロントホイール部からリアに向けて上り基調でしたが、今回はほぼ平行ですね。

「まずはダイナミックさ、前後への伸びやかさです。また、歩行者保護によりノーズが高くなっていますので、あまり低い位置からラインが始まると前のめりなイメージになってしまうんです」

img_3155

── サイドグラフィックは、もっとシンプルな形状にはできなかったのでしょうか?

「初期には単純なアーチ型やリアに抜けた案もありましたが、伸びやかさのために強いベクトル感を出したかった。ちょうど矢印が前後に向かうようなイメージですね。なので、リアクオーターガラスも、とくに先代を意識したわけではないんです」

img_3145 img_3156

── ボディ下部の「切り欠き」はよく見られる手法ですが、上側にフレアを付けてまで強調するのは珍しいですね

「ミニバンの縦横比の中でも、より走りの印象を出すためにキースケッチからあった表現ですね。もちろん5ナンバーの制約は大きかったのですが、ボディのピークから下りてきた面を、ここでもう一度出すことで巧く処理できたと思います」

── なるほど。では続きは後半でお聞きします。

(すぎもとたかよし)

この記事の著者

すぎもと たかよし 近影

すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
続きを見る
閉じる