yuri「今までの話だと、夏でも冬でも一年中スタッドレスタイヤでいいような気がしますが、なんかデメリットでもあるんですか?」
齋藤「そうだね、寒くなければスタッドレスタイヤはゴムが柔らかいことでブロック剛性がサマータイヤと比べるとどうしても弱くなってしまうんだ。だから制動距離がやや長くなることもある。それから雨の日、ウエット路面で踏ん張る力が少ないので雨天時の走行もどちらかといえば苦手かも知れないね」
yuri「そうなんだ…。雨の日とか、普通でも怖いんですよ。じゃあ、やっぱり雪があまり降らない地域で冬期にスタッドレスタイヤへ履き替えるのはやめたほうがいいんですね」
齋藤「いやいや、結論としては雪が降らない地域でも冬場はスタッドレスタイヤに履き替えるべきだ!」
yuri「え〜、その理由を教えてください」
齋藤「最初に話した通り、気温が下がると雪の上でなくてもタイヤが硬くならないスタッドレスのほうが冬場はやっぱり有利。とくに気温が低いときのウエット路面なんかでサマータイヤが硬くなった状態で滑ったときは非常に危険なんだ。雪が降ったときだけが危険なわけではないんだよ。
それに、せっかくクルマを持っているなら、冬場の約4ヵ月間は天候を気にせずクルマを出せるという安心感を得られることは大きいと思うんだ。だって、東京でちょっとの雪でもマンションの駐車場へ入るための傾斜が1度か2度と緩やかなスロープでさえ登ることができなくて立ち往生するクルマがいっぱい出てくるんだよ。サマータイヤから履き替えることでタイヤの保管場所に困るなどの問題が出てくると思うけど、最近は季節ごとに預かってくれるところもあるし、最終的には中古屋タイヤ屋さんに売ってしまうこともできるんだよ。またこのWINTR MAXX02みたいな長持ちするスタッドレスタイヤなら、早く着けて、長く走れるから減りを全然気にする心配がないしね。」
yuri「そうなんですね! 勉強になります」
齋藤「理由はまだあってチェーンを携帯してスキー場などに行ったときチェーン装着時に轢かれちゃったとかクルマが滑り落ちてきたとかの事故を防ぐことができるよね。あとなによりスタッドレスタイヤを履いていると、雪道がドライブロードになるんだ。“普通”に雪道を走ることができるようになるんだよね。クルマ好きとって冬場の行動範囲が広がるからとくにお勧めしたい」
yuri「そっか、なんだかスタッドレスタイヤを冬場に装着したくなりました(笑)。それで実際に装着したあと、気をつけることはありますか?」
齋藤「スタッドレスタイヤに限らないけど、まず、新品タイヤの表面を一皮むくという慣らし走行が必要だね。メーカーのカタログにも書いてあるけど100kmぐらい走行すると性能がフルに発揮できるおいしい表面が出てくるね。あと空気圧をまめにチェックすることは重要だね。今回、最初に乗った時は空気圧が高いなあと感じて調整したし。あと、強いていえばブレーキダスト(鉄粉)を取ること、あと長持ちさせたいならトラクションがかかると摩耗が激しくなるからタイヤのローテーションはやったほうがいいと思うよ」
yuri「慣らし走行と空気圧とブレーキダスト、タイヤローテーションですね。しっかりと覚えておきます♪」
yuri「はい…。サーキットを走るF1マシンだけじゃなくて、一般道を上手に走るクルマもチェックするようにします」
齋藤「それと、yuriさんの場合はまずはしっかりとした運転技術を学ぼうね」
(出演/齋藤聡、yuri、まとめ/テヅカ・ツヨシ)