yuri「スタッドレスタイヤが雪道に強いタイヤですよね。普通のタイヤとどういうところが違うんですか??」
齋藤「スタッドレスタイヤは1980年代からスパイクタイヤに変わるスノータイヤとして国内販売されるようになった、雪道や凍結路を走行することを目的にしたタイヤなんだ。で、まず違うのはそのタイヤの成分。タイヤを作るとき原料となるゴムは天然ゴムと合成ゴムを使うんだけど、タイヤの特性に合わせて配合・ブレンドするんだ。それによって使うときの得意な温度域が違ってくるんだよね。
スタッドレスタイヤは低温でも硬くなりにくいゴムを使って雪上や氷上で性能を発揮することも特徴なんだ。ゴムって気温が低くなると硬くなっていく性質があるのはわかるよね。サマータイヤだと一般的に7℃くらいから硬くなるんだけどスタッドレスタイヤはマイナス20℃でも柔らかさを保っているんだよ。この辺が大きな違いだね」
yuri「なるほど。(なんとなくですが)少し理解できました。ただ、スタッドレスタイヤが低温時での走行を念頭に置いて作られているのなら雪が降らないくらいの温かい温度の道路で使うとすぐダメになりそうな感じですかね…」
齋藤「確かにサマータイヤに比べて、今日みたいに気温がそこまで低くなくて(取材時は約16℃)雪道じゃないととろけやすくなるのは確か。けれど、多少の摩耗はあっても、基本的に雪がない路面を走ってもスタッドレスタイヤはそんなに発熱するものではないんだよ。このタイヤもそうだけど、低温時にタイヤが硬くなりにくい性質をもつことでゴムを柔らかく保つシリカを配合材として使っているんだ。このシリカは温度によるゴム性質の変化を抑えることができるからね」
yuri「シリカ??? まあ、タイヤには必要な材料なんですね。ようするに、シリカなどのおかげでスタッドレスタイヤが、雪のない道路を走ってもそう簡単にダメにならないんですね」