テックツアー第2弾!スバル歴史講座に行ってきました【SUBARU テックツアー 2016 Vol.2】

img_6146

続いて登壇されたのは、スバル第二技術本部 エンジン設計本部 兼 PU先行開発統括 主査 小野大輔さん。お話しの内容は「スバルの水平対向エンジンの歴史」について。

スバルの象徴ともいえる水平対向エンジンを採用した理由は、全長が短く、室内を広くでき「ひとめ見るだけではっきりと斬新なシステムと理解できる」というこだわりからとのことで、ほかにも低重心によるハンドリングの良さなど様々な理由があるのは皆さんもご存じだと思います。この水平対向エンジンは初搭載のスバル1000から今年で50周年を迎え、大きくわけて3世代のモデルが存在します。

img_6093

初代のEA型エンジンは初のオールアルミエンジンとして誕生しましたが、当時としては鉄に比べ14倍もの価格となるアルミ製エンジンは、現行モデルの水平対向エンジンまで受け継がれる素材であることにも驚きです。

その後はターボを組み合わせたものも登場しましたが、OHVだったこともあり120psにとどまり、他メーカーの同クラスと比較して若干非力だったそうです。今のハイパワーなスバル車のイメージからするとちょっと考えにくいですよね。

img_6096

第2世代のEJエンジンでは、いよいよDOHC化され、初代レガシィには水冷式のインタークーラーターボを備えるモデル「GT」や「RS」といった当時クラストップレベルのパワーを発揮するモデルも登場!残念ながら私はまだこの世に登場していません(笑)

もちろんEJ20エンジンは今でも生産されており、スバルのスポーツフラッグシップであるWRX STIに搭載され、今では308PSというスバルでも最強のエンジンとしてファンも多い名機です。

img_6105

そして、現行モデルの多くが搭載する第3世代のFA、FBエンジンでは水平対向エンジンが苦手としてきた低燃費化実現のためにロングストローク化をはじめとした環境性能を強化。

BRZに搭載されているFA20エンジンでは極力隙間を減らしたことで高さを65mm、エンジンの搭載位置をなんと60mmも下げたことで、エンジニアの皆さんは腰痛になったとか(笑)

もちろんスバル自慢のターボエンジンはFA20DITとして直噴化などによりハイパワーで低燃費を実現。新世代のユニットながら登場時から300PSを誇り、これからのスバルを象徴するエンジンとして進化に期待です。

img_6293

座学では、スバルのプラットフォームやクルマの歴史、そして代表的なメカニズムである水平対向エンジンの歴史を学んだことで、試乗の時間がさらに期待が高まりました。

しかし、歴史車試乗では思わぬ落とし穴があることに、この時は気付かず……驚きと爆笑の試乗編はまた次回!是非お楽しみに!

(文:岩本 佳美/写真:井元 貴幸)

【関連記事】

ドライビングアカデミーってなんだろう?【SUBARU テックツアー 2016】
https://clicccar.com/2016/08/10/391554/

ドライビングアカデミーってなんだろう?・高速周回路編【SUBARU テックツアー 2016】
https://clicccar.com/2016/08/28/395526/

ドライビングアカデミーってなんだろう?・ジムカーナ編【SUBARU テックツアー 2016】
https://clicccar.com/2016/08/31/396259/