「MQB」と呼ぶモジュラープラットフォームの採用もあってパッケージングも進化。
セカンドシートのヘッドクリアランスは従来よりも6mm拡大し、3列目の頭上空間も13mm改善されているそうですから、全高を維持、もしくは30mm低くしても全長、全幅、ホイールベースの拡張もあってより広くなっている印象を受けます。
2列目は3座席ともに独立式で、先代トゥーランやほかの欧州製ミニバンによく見られる設計。3人掛け時でも大人が窮屈に座らずにすむ利点がある一方で、大柄な人が座る際は横幅がやや狭く感じるという点も先代同様といえます。
2列目は3座席ともに前後スライド幅が40mm延び、最大200mmの前後調整が可能になっています。サードシートに座らない場合は最後端にして2列目のフットスペースを広くすることが可能。リクライニングは3段階調整式になっています。
また、上級の「Highline(ハイライン)」には、2列目の左右席にシートヒーターを標準装備し、後席向けに調整が可能な3ゾーン(運転席、助手席、後席)フルオートエアコン、アレルゲン除去機能付フレッシュエアも用意(Highlineに標準、Comfortlineにオプション)。
さらに、2列目の左右シートにオプションでインテグレーテッドチャイルドシートの設定も可能で、こちらは「Highline」は運転席/助手席シートヒーターとのセットオプションで4万3200円。
「Comfortline」は、レーンキープアシスト、パドルシフト、アダプティブクルーズコントロールなどからなる「セーフティパッケージ」にセットオプションとなっていて、19万4400円という設定になっています。
3列目への乗降は、2列目のレバーを引くだけでシートが前に倒れながら移動するイージーエントリー機構により開口部が大きくなったことで改善していますが、サードシートのサイズ、足元、頭上空間ともに身長171cmの私にとっては非常用の域を出ない印象。身長160cm以下の方でも長距離移動は少々窮屈でしょうが、ジュニアシートを卒業した子ども用か緊急用と割り切りたいところです。
積載性では、3列目から助手席まで運転席をのぞいてフラットに倒せる「フラットフォールドシート」が特徴(助手席の背もたれまで倒せるのはComfortline以上のグレード)。先代のように2列目、3列目の脱着機構は廃止されましたが、背もたれをフラットに倒せる方が現実的というか実用的といえるでしょう。
荷室容量は、サードシートから助手席の背もたれまで倒すと最大1857Lまで拡大します。逆に3列目までフル乗車すると容量は137Lと奥行きは小さめですが、3列目を倒せば日常ユースなら不足のないスペースを確保できますし、広く使いたい時は2列目を前にスライドさせれば奥行きを拡大させることも可能です。
ほかにも、サードシートを起こした状態だと不要になるトノカバーを荷室下のスペースに収納できるなど、細部にまでよく考えられた設計になっています。
駐車場が狭い場合など、スライドドアでないと不便というという声も多いと思いますが、それ以外は使い勝手も良好で、何よりスタイリングや走りに惹かれる人にとっては大きなマイナス点とまではいえないかもしれません。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)
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