──では、フロントから具体的に。ランプは曲面ボディ対して非常にシャープで、かつ3ナンバーの広いフロントフェイスの中では小さい?
「現行車と別方向といってもスズキとしてある程度の共通性は欲しく、ここはスイフトのランプをイメージしました。また、キセノンなど最新技術を表現する意図としてできるだけ『小さく薄く』したかった」
──グリル形状のモチーフは? また、両端をランプまで伸ばす手法(ターボ車)は他社でもやっています
「グリル形状はボンネットからのV字ラインを受けたもので、これがスズキの意匠ということじゃありません。両端の表現は初期スケッチから強く意図されたもので、さらにボディまでつながるのが特徴です。決して他社さんのマネではありません(笑)」
──ブラックアウトしたAピラーもスイフト風ですが、この曲面ルーフでは造形上の必然性がないのでは?
「実はボディ色も試しましたが、そうすると前からのラインの流れがルーフとサイドボディへ分散してしまう。今回はサイドへの流れが主役なのでそれはマズイと。また、ボディ色にすると角度から考え直さなくてはいけない」
──キャビンはリアに向けて狭くなり、細いリアピラーも含めて尻つぼみのイメージがあります
「ルーフを下げたのは空力のためです。やはり欧州に出しますので。また、インドなど大陸の市場では陰影の強い存在感が求められますので、じゃあ今回はスイフトやイグニス的ではないクルマらしさを追求しようと。6ライトのキャビンや細いリアピラーはその結果です」