そんなハイパワーモデルで、AWD(多板クラッチを採用した電子制御式のオンデマンド型AWD)とはいえFRベースであり、低負荷時にはFRになるというジャガーFタイプを雪上(ほぼ氷上)で走らせる機会はそうそうありません。
AWDモデルに搭載されている「インテリジェントドライブラインダイナミクス(IDD)システム」が電子制御アクティブディファレンシャルと連動し、トラクションと安定性の両立を図るという制御も用意されています。
試乗ステージは、クローズドコースのみとはいえ、S字スラロームや定常円旋回などを自由に試すことができました。装着されていたのはピレリの「Winter Sottozero 3(ウインター・ソットゼロ・スリー)」。
最初はおそるおそる「スノーモード」をオン、もちろん横滑り防止装置もオンのまま走り出しますが、少しペースを上げても何も起こらず、後輪からはスリップの気配すら感じさせません。スタッドレスタイヤを装着していれば、公道でも問題ないでしょう。多少滑ってもカウンターを当てて、アクセルを踏めば容易に挙動を立て直せるというか、直ってくれます。
S字スラロームでは「インテリジェントドライブラインダイナミクス(IDD)システム」を含む高精度の制御の恩恵もあってか、普通にクリアする分には難なくこなしてしまいます。
スノーモードからダイナミックモードに切り替えて、横滑り防止装置を切ると、スリップしながらリヤが左右に出るなど、FR系(AWD)の大排気量モデルらしい挙動(?)になり、どっちに行きたいのか分からない挙動不審状態に。腕があってもう少し場所が広ければグルグルと回りながら楽しめるはずです。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)
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