次世代リチウムイオン電池開発が本格化!電動車のモーター走行距離倍増へ

また日経新聞によると、三菱自が2020年を目処にEVの航続距離を400kmにまで伸ばす計画のようで、そのためにエネルギー密度を現行の2倍にあたる200Wh/kg程度にまで向上させる必要があるとしています。

MITSUBISHI_eX-_Concept

日立グループでは正極にNi(ニッケル)を使う「ハイニッケル層状酸化物」、負極に炭素材料を使った試作品で既に200Wh/kg超を達成しているそうで、2020年以降の実用化を想定した検討を進めているそうです。

またBMWはベンチャーの米Sila Nano社の協力を得て負極に炭素材料に代わるSi(シリコン)系材料を使うことで更に上を行く300Wh/kg超えを目指しているとか。

TOYOTA_BMW

同社は3年前にトヨタ自動車とポスト・リチウムイオンバッテリーの開発で技術提携しており、その実現が期待されます。

ホンダも正極に三元系材料(NMC:ニッケル・マンガン・コバルト)、負極にSi系材料を採用することでエネルギー密度の向上を目指しているそうで、2030年頃を目処に電解質に固体材料を用いる全固体バッテリーの実用化についても検討している模様。

このように次世代バッテリー開発競争が世界的に本格化しており、EVやPHVの普及加速に向けた地盤固めが着実に進んでいるようです。

Avanti Yasunori

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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