続いて試乗したのはエクストレイルハイブリッドです。こちらはオールモード4×4-iと呼ばれる4WDシステムを搭載しています。
このシステムはアクセルを踏むと同時に各種センサーの情報から4WDコンピューターが走行状態を判断します。その状況に応じて前後トルク配分をフロント100:リア0から約50:50に切り替え、滑りやすい路面でも安定した走りを可能としています。さらに2WD車にも搭載されているアクティブライドコントロールをはじめ、アクティブエンジンブレーキ、コーナリングスタビリティシストなどのシャシー制御によって、どんな路面状況でもフラットな乗り心地と操縦安定性を実現させています。
エクストレイルハイブリッドのオールモード4×4-iをAUTOにしてスタートします。その際インパネ内のアドバンスドドライブアシストディスプレイをオールモード4×4-iのトルク配分を表示させて、トルク変化を確認します。アクセルを踏みスタートすると、フロント100のトルクからスッとリアにも荷重がかかることがディスプレイで確認できます。
しかし運転している私にとっては全く違和感がないというか、何か変化したということはまったく感じません。様々な状況の路面を走らせていると、ディスプレイでは常にトルク配分が細かく行われていますが、全くその変化は感じることはありませんし、ただエクストレイルハイブリッドは安定して走行できます。
続いて、ディスプレイの表示をシャシー制御に変えます。走行中に荒れた路面の走行時や、コーナリング時では青く光ってシャシー制御を行っていることは目で確認することはできます。しかし、当の運転しているドライバーはスムーズにコーナーを曲がり安定した走行をしているようにしか感じません。
エクストレイルは搭載しているシャシー制御とオールモード4×4-iのシナジー効果によって雪道などの滑りやすい路面であってもクルマが常にハンドルの舵角やアクセルの開度、そして路面のスリップ量を監視することで、スリップというドライバーにとって最も不安になる現象を抑えて、常に安定した走行を約束してくれます。
まさに雪道での壁ドンを防いでくれる安全装備なのです。
GT-Rとエクストレイルに搭載されている4WDのシステムは異なりますが、日産の考える運転する楽しさや高い走行安定性をそれぞれのクルマを購入したユーザーに提供するという点では同じと言えます。
(萩原文博・写真提供:日産自動車)