ちなみにステアリングを大きく切った状態から2速で立ち上がるような時、トルクステアはもちろんありますが、パワーアシストが強い割にステアリングが元より正確でなので、身構えずとも余裕をもって抑え込めます。
また270ps仕様はトルセン式LSDも備えますが、加速中にバンプを通過しても安定したトラクションが感じられ、むしろ平滑なサーキット路面より公道で威力を発揮するでしょう。
ホットハッチである前に、一台のMT車として雑味を微塵も感じさせないこと、ゆえに結果的にホットかもだけどクールにも走れる、そこが308GTiの凄みといえます。
要は速く走らせるだけでなくキレイに走らせること、マニュアルのクルマとして操ることそのものがピュアに楽しい、そんな一台なのです。
考えてみれば、2ペダルお断りのMTであることを今ドキ、開発当初から仕様要件として掲げていたことを思えば、308GTiの唯一無二っぷりがより分かるでしょう。
裏を返せば、2ペダルの過激スポーティな308であることに、308R HYBridの存在理由があるのです。
(南陽 一浩)
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