パナソニック、タイで車載部品用耐熱フェノール樹脂成形材料の生産開始へ

パナソニックとオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、タイのパナソニック マニュファクチャリング アユタヤ社(以下PMFAT)で車載部品用の耐熱フェノール樹脂成形材料の生産を2016年2月から開始すると発表しました。

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タイで同材料を生産するのは業界で初めてになります。2015年12月からサンプルの提供を開始しており、東南アジアに進出している自動車関連企業の現地生産の要求に顧客密着型で迅速に対応する狙いがあると見られます。

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耐熱フェノール成形樹脂材料は、車載電装部品や構造部材などの絶縁材料として使用されるもので、高い耐熱性と強度を備えており、モーターや自動車部品用途に適しています。モーター整流子に利用すれば高温での信頼性向上が期待でき、モーターカバーなどに利用すれば、金属部品の代替・部品複合化で軽量化を実現できます。

今回のタイ:PMFATでの生産開始に伴い、パナソニックの耐熱フェノール樹脂成形材料の生産体制は、国内(三重県四日市)、中国(上海市)と合わせ3拠点に増強されることになります。

パナソニックは、プラズマテレビ・パネルに起因する赤字から脱却するために自動車・住宅分野に注力しており、今回の同樹脂の生産体制増強もその方針に沿ったものと考えられます。

(山内 博・画像出展:パナソニック)