ビッグチェンジしたスバル・フォレスターの280馬力ターボを公道試乗

サスペンションとボディの間にフィルターを挟んでいるような感覚というと、ハンドリングにおいてはネガティブなのでは? と思うかもしれませんが、新採用された「アクティブ・トルク・ベクタリング」が働いていないような日常的な速度域から、ステアリング操作に対するダイレクト感は、明確に感じることができるのも、新型フォレスターの特徴。

スポーティに走るという評価は言い過ぎに思えますが、このルックスから想像するよりはロール感も控えめで、公道レベルであれば不安を覚えるシーンなどないといえそうです。

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こうして、公道試乗においては、シャシー性能において気になるところはほとんどない新型フォレスターですが、加減速によるストローク感と旋回時のロール感がズレているように感じるのが、数少ない気になるポイント。

乗り心地とコーナリング性能の両立を目指しているのですから当然かもしれませんが、加速時に見せるリアの沈み込みに対して、横Gに対する外側の沈み込み具合が控えめで、その二面性が同時に現れるシーンで、ちょっとした違和感を覚える瞬間もあったのです。

とはいえ、スバルのクルマは年改と呼ばれる毎年の改良を続けているのもセールスポイント。気の早い話ですが、大幅な改良を受けたフォレスター・アプライドD(D型)の次なる進化にも期待したくなる、公道試乗だったのです。

●スバル フォレスター 2.0XT EyeSight主要スペック
車両型式:DBA-SJG
全長:4595mm
全幅:1795mm
全高:1715mm
ホイールベース:2460mm
車両重量:1610kg
乗車定員:5名
エンジン型式:FA20 DIT
エンジン形式:水平対向4気筒ガソリン直噴ターボ
総排気量:1998cc
最高出力:206kW(280PS)/5700rpm
最大トルク:350Nm(35.7kg-m)/2000-5600rpm
変速装置:CVT
燃料消費率:13.2km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:225/55R18
メーカー希望小売価格:3,128,760円

(撮影・文 山本晋也)

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この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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