ビッグチェンジしたスバル・フォレスターの280馬力ターボを公道試乗

新型になってリアコンビネーションランプの意匠変更して、車高の余裕「リフトアップ感」を演出していますが、さらに試乗した個体がセピアブロンズ・メタリックのボディカラーであったことと合わせて、いかにも重厚な本格SUVといった風情を漂わせています。

2016foresterXT004

しかし、280馬力のターボエンジンと18インチタイヤを組み合わせるフォレスターのターボ車は、今回の大幅改良により、ブレーキ制御を利用して旋回におけるトレース性を向上させる「アクティブ・トルク・ベクタリング」を採用しているのがニュース。

さらに、ステアリングギア比のクイック化(15.5から14.0)に合わせたシャシーのセッティングにより、ステアリング操作に対する車両の反応(横Gの発生)を早めているというのも変更点として注目されるところ。

ターボのフォレスターを試乗したのは、そうしたセールスポイントが公道でどのように効果を発揮するのかを感じてみたいと考えたからなのでした。

また、前後サスペンションともにショックアブソーバーとバネレートを変更しているほか、リアサスペンションにおいて、ダンパーレバー比の変更、スタビライザー取り付け位置の最適化など乗り心地改善の変更をしています。

クネクネと曲がった湖畔の周回路と走行ペースの速めな国道を試乗コースとして走り出して、まずは音振動の滑らかさが印象に残ります。圧倒的に静かというわけではありませんが、いやなノイズやヴァイブレーションが抑えられているので、音振がマイルドになったと感じさせられるのです。

フォレスターはモノコック構造のボディですが、ラダーフレームを使った本格オフローダーのような、サスペンションの動きがボディへ伝わるときに、なにかを一枚挟んでいるような感覚に近いといえましょうか。乗り心地に関して、いい意味でフィルターをかけたようなフィーリングで、この快適性はフォレスターの美点といえそうです。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
続きを見る
閉じる