フォルクスワーゲンのディーゼル問題、まずは欧州向けの解決策を提示

1.6 TDI Motor ( EA 189 ): Strömungsgleichrichter

1.6リッターディーゼルについては、プログラムの書き換えだけでなく、パーツも追加するという内容で、作業時間は1時間未満を見込んでいるとアナウンスされています。

パーツといっても、吸気量を測るエアフロメーターの手前に「フロートランスフォーマー」という吸気の流れを変えるメッシュのついた部品を追加するだけ。これによりセンサーの精度を改善することで、新規に書き換える制御プログラムに対応することができるということです。

いずれの対策においても、NOx(窒素酸化物)の排出を抑えながら、燃費やパフォーマンスといった要素を犠牲にしないというのが、新プログラムの開発におけるテーマ。はたして、走りを犠牲にすることなく、環境性能を両立させるという本来のクリーンディーゼルらしさを実現しているのでしょうか。

欧州だけで対象車が数百万台といわれるディーゼル問題。対策完了には2016年いっぱいはかかる模様です。

なお、日本ではフォルクスワーゲンのディーゼル車は正規販売されていなかったので、ディフィートデバイスを搭載した車両は、並行輸入されたわずかな台数にとどまっているということです。

(山本晋也)

【関連記事】

フォルクスワーゲンのクリーンディーゼルがアメリカで問題視
https://clicccar.com/2015/09/21/328352/

VWのディーゼル違法ソフト問題「ディーゼルゲート」、ポルシェにも搭載と指摘
https://clicccar.com/2015/11/03/337625/

VWの違法プログラム、ガソリンエンジンも対象か? CO2排出でも問題に?
https://clicccar.com/2015/11/04/337765/

VW・アウディ・ポルシェのディーゼル問題がアメリカで拡大
https://clicccar.com/2015/11/26/340918/

フォルクスワーゲン疑惑のエンジン、日本仕様には搭載なし!
https://clicccar.com/2015/11/07/338552/

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
続きを見る
閉じる