車中泊女子が読み解く、RVパークを利用する理由/利用しない理由

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最後に、「RVパークに対する将来の希望として、いちばん望むものは何ですか?」という設問では「さらに全国に普及させてほしい」がトップで61.7%も占めました。
これは、まだ利用したことがない6割強のユーザーが「行きたい地域にRVパークがない」と思っていることも暗示しているのではないでしょうか?

2位以下は、こちら。

「景色がいい、見晴らしが素晴らしいなど、ロケーションのいい場所を増やしてほしい」(9.3%)
「料金・宿泊システムや施設の充実度がまちまちなので、統一基準を設けるか、グレード分けを公表してほしい」(9.3%)
「夏場のエアコンも心配なく駆動できるように、供給される電源のアンペア数を統一してほしい」(6.2%)
「電源などは必要ないから、料金を安くしてほしい」(6.2%)
「基本的に、中サイズの自走式車両に対応しているものが多いので、大型車両やトレーラーも苦労なく使える設備やスペースを確保してほしい」(5.6%)
「RVパークそのものの情報に加えて、近隣の観光スポットの詳しい情報を充実させてほしい」(1.9%)

アンペア数の問題がまた出てきましたね。「料金・宿泊システムや施設の充実度がまちまち」という不満とも繋がっており、ここにRVパークの今後の展開への期待がこめられています。

また、このアンケートとは別にRVパーク側にも「RVパークというシステム」をどう評価しているのかJRVAがアンケート調査を行ったところ、

「RVパークが、車中泊をしている他の乗用車へのマナー啓蒙の役目を果たしている」
「館内のその他のサービスも利用してもらえる」
「集客につながっている」

など好評価を得ていることが判りました。

しかし、中には「指示してもゴミの分別ができていない」「断りもなく勝手に洗車をする」「車外の調理を禁止しているのに堂々と料理を作る」(※RVパークの中には車外での調理を認めているところもあります)など、「RVパークを利用する際のマニュアルなどを作成し、啓蒙してほしい」という意見もあり、今後の課題となっています。

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(※写真はRVパークではありません)

そもそも、なぜオートキャンプ場ではなくRVパークを利用するのか? 車中泊に馴染みのない旅行者やドライバーには理解し難いところもあるでしょう。

オートキャンプ場は施設が充実しているぶん利用料が高額で、電源付きサイトともなると1台3,000〜5,000円もかかってしまいます。4人家族で利用すると泊まるだけで1万くらいになってしまいますから、それに比べればRVパークは1台1,000円〜と手頃で気軽に利用できる料金設定です。

とはいえ節約を重視するならば無料で道の駅などに停泊するのが最もですが、前述したように車中泊公認ではありません。

「車中泊してもいい場所」というお墨付きがあり、なおかつ必要最低限の設備で充分、という車中泊者にはうってつけなんですね。

「料金・宿泊システムや施設の充実度がまちまち」というのも、逆手にとって「駐車場所と24時間使用可能なトイレのみで1泊500円」などバラエティに富んだ施設があってもいいと思います。

キャンピングカーに限らず、車中泊は年々増加の一途をたどっています。しかしながらマナーについては浸透しているとは言えないのが現状です。

RVパークが、車中泊する側/される側双方にとって「Win-Win」となるような車中泊旅への一助になるといいですね。

(松本しう周己)

この記事の著者

松本しう周己 近影

松本しう周己

高校は美術科を卒業し、印刷会社のデザイン部に就職するも2年足らずで退職してフリーターに。主にコンサート・イベント関係で全国を駆け回る。その後、なぜかウェブデザインの道へ。仕事としては車との接点はまったくないが旅行好きでドライブ好き、20年前から道の駅などで車中泊していた。
「ネットを通して仕事ができれば、どこにいても構わないのでは」と、2005年、ついにキャンピングカーを自宅兼仕事場としてしまった。根は機械オンチなため、日進月歩の日々。
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