フォード・フォーカスはCセグメント最高のハンドリングマシン!?

今回試乗したのは箱根ターンパイクというフォーカスを試すには最適なステージ。

軽めのパワステはフリクションを感じさせないスムーズな感触で、もう少し手応えがあってもいいかも、と思うほど。

20151006 Ford Focus Expolore081

そうはいっても少し前のアウディのように軽すぎて、反応がもの足らないほどではなく、今回、電動パワステもダイレクトな設地感が得られるようにチューニングされているそうですからすぐに慣れてきます。

多様なコーナーが連続する箱根ターンパイクでは、たとえば荷重移動をそれほど意識しなくても、極端にいえばステアリング操作だけ難なくコーナーをクリアしていく感じでしょうか。

20151006 Ford Focus Expolore089

それはボディやサブフレームの剛性の見直しを含め、サスペンションジオメトリーの最適化、ブッシュ類の剛性を改善したというシャーシのバランスのよさはもちろん、トルクベクタリングの効果も見逃せません。

1秒間に100回の頻度で車両を監視しているという同システムは、アジリティ(俊敏性)とスタビリティの両立を実現しているだけでなく、ドライバーにほとんど感知させない自然な制御。

もちろん、腕自慢からは「なんだかもの足らない」という声も聞こえてきそうですが、冒頭でも紹介したように、おそらく長い距離を走るほど、つまりオーナーになればその良さが実感できるような気がします。

さらに、今回のテーマである乗り心地や音・振動面の改善は明らかで、今回のマイナーチェンジ前のフォーカスをベースとしたSUVのクーガと比較すると(比べるのは酷でしょうが)、洗練されたマナーも同セグメントでもトップクラスといえそう。

新型フォーカスに乗る少し前に、Cセグメントでは唯一のFRであるBMW1シリーズ(3気筒モデルの118i)に改めて乗る機会がありました。

20151006 Ford Focus Expolore046

両車、味わいは異なるものの、パワフルなエンジンも含めて、ハンドリングの面でもFFのフォーカスの方がよりスポーティに感じました。気になる方はぜひ一度試乗していただきたいモデルです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

【関連記事】

■フォード・フォーカスが新たに搭載した1.5Lダウンサイジングターボの実力は?
https://clicccar.com/2015/10/19/334086/

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる