20年以上前はCX-5やCX-3のような形のクルマの多くはクロカンと呼ばれ、悪路走破性に長けたAWDシステムを搭載していました。まさに、クロカンからSUVへと変わったきっかけはAWDシステムの多様化が大きく寄与しています。また、装着されるタイヤもクロカン系の車種に多いオールシーズンタイヤではなく、両車ともグリップ力の高いサマータイヤを標準装備していることでクロカンとの違いを主張しています。
クロカン系の車種に採用されていたAWDシステムはドライバーが路面状況や走行状態によって切り替えられるパートタイムAWDと呼ばれるもので、このシステムは舗装路は2WDで走ることが薦められていました。一方のSUVであるCX-5やCX-3にはAWDを切り替えるスイッチやレバーはインテリアには見当たりません。
なぜなら、両車ともに常にコンピューターがドライバーが感じ取ることができないほどのわずかなタイヤスリップなどをモニタリングしていて、変化する路面状況を予測。その変化に応じて、クルマが前後のタイヤの駆動力配分を積極的にコントロールしてくれるからです。つまり最新のAWDシステムは前後のタイヤの駆動配分を常に最適にコントロールすることで、エネルギー効率を最大化できるので、燃費の悪化も最小限にとどめられるようになりました。
今回試乗したCX-5XD LパッケージとCX-3XDツーリング Lパッケージ(6MT車)のJC08モード燃費を比較すると、CX-5の2WD車は18.4km/L、AWD車は18.0km/Lとわずか0.4km/Lの差です。そしてCX-3では2WD車は25.0km/L、AWD車は23.4m/Lとわずか1.6km/Lの差に留まっています。この数値から見てもAWD車は燃費に不利というのが大幅に改善されていることがわかります。