2.8よりも2Lターボの方がよく走る!? アウディA6はダウンサイジングターボの好例!

アウディA6の全長4945×全幅1875×全高1465mmというサイズは、5mを超えていた全長をのぞけば初代A8と大差ない巨体で、モノコックボディに20%超のアルミを使うことで1780kgに抑えているものの、2.0Lターボでこれだけ走るのか!? と驚かされます。

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今回は悪天候下での試乗だったため、市街地や郊外路中心のちょい乗りでしたが、おそらく高速道路の巡航もパワー不足とは無縁でしょう。

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クワトロはイニシャルで「40:60」という前後トルク配分ですが、路面や走行状態により「70:30」〜「15:85」の間で変化させるシステム。

その狙いはトラクションやスタビリティの確保、回頭性とのことですが、雨天時とはいえ市街地では残念ながらその威力は確認できませんでしたが、ワインディングや高速道路でのロングクルージングなどでは天候を問わず、安心感のあるドライブが楽しめるはず。

さらに前後アクスルの横方向は、横滑り防止装置の「ESC」によりトルクベクタリングが作動するという現代のトレンドに沿っていて、トラクション確保に貢献するだけでなく、標準装備のスポーツディファレンシャルにより曲がりたい方向へプッシュすることで旋回性を高めるだけでなく、アウディドライブセレクトとの制御統合によりレスポンスも高まっているそうです。

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このあたりのフットワークについては確認しにくい試乗条件でしたが、ほかにもアウディらしくやや軽めのパワステでボディサイズを感じさせない軽快感の演出も感じられました。

ドライバーズカーであると同時にゲストを後席に迎える機会も多そうなA6だけに、乗り心地や音・振動対策はほぼ文句なしで、700万円級にふさわしいもの。路面から振動は大小を問わずきれいに減衰し、フラットライドを保とうとしますので、車酔いしやすい家族がいる場合などでも安心して身をゆだねられそうです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

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この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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