補充の目安は1.5万km。国内・国産クリーンディーゼルとして初採用の尿素水システム

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いまや乗用車のクリーンディーゼルもかなり増えています。輸入車はもちろん、国産においてもマツダや三菱が乗用車にディーゼルエンジンを設定しています。

しかし、これまで国産メーカーは乗用車において、クリーンディーゼルの排ガス処理にAdBlueを使うことはありませんでした(海外向けでは設定あり)。その理由は様々ですが、尿素SCRを使った後処理では、定期的なAdBlueの補充が必要となり、その補充にかかるコストと手間をきらって採用していないといわれています。

一方で、尿素SCRはトラックや一部の輸入ディーゼル乗用車でも採用されています。そのため、AdBlueはディーラーはもちろん、トラックの利用が多いガスステーション、さらには通信販売などでも販売されており、インフラとして見れば、十分に整備されている状況であると判断できる面もあります。

さて、トヨタがランドクルーザー・プラドのクリーンディーゼルに尿素SCRを使ってきたのには、大きく2つの理由があります。

ひとつは、グローバル対応です。

ランドクルーザー・プラド(日本仕様)だけでなく、タイで売られるハイラックスにも搭載(2.4リッター版)するなど、将来的には世界150か国で販売するモデルに搭載する予定の新世代エンジン。その基本は世界共通とするため、各国で異なる排ガス規制については後処理の部分で対応するという方針で開発されているのです。

ふたつ目は、熱効率の追求です。

後処理を最小限としてポスト新長期のような厳しい規制をクリアするには、エンジンから出てくる段階で排ガスのクリーン度を上げる必要が出てきます。現状、NOxを減らすためには燃焼温度を下げるという手法が主流となっています。しかし、トヨタの新世代クリーンディーゼルは、排ガスを後処理とすることで、エンジン側では燃焼の理想を追求しやすくなったといいます。

そして、それが最大熱効率44%という乗用車用ディーゼルエンジンとして世界トップの効率につながったのです。 

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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