近年アウディにおける自動運転の実験を紹介すると、サーキットでの実験にとどまらず、過酷な実際の道路交通環境でも自動運転を行っていることが注目されます。
2015年の初めに「ジャック」と命名された、生産モデルに近いAudi A7の自動運転コンセプトカーが、シリコンバレーからコンシューマーエレクトリックショー(CES)が開催されるラスベガスまで、一般のハイウェイなどを通って自動運転で移動してみせました。
その直後には、同じクルマがドイツのアウトバーン上で130km/hまでの速度で自動運転を行っています。また、2015年5月に開催されたCESアジアでは、巨大都市上海の市街地で、ジャーナリストに自動運転を経験する機会を提供しています。
アウディの自動運転はラグジュアリークラスのセダン・Audi A8の次世代モデルにおいて実用化される予定とのこと。
その内容は、駐車時の操作や、フリーウェイなどにおける60km/h以下での加減速、停止、再発進などの操作を、ドライバーに代わって自動で行う、というものです。
自動運転の実用化はまだ先の話だと思っていましたが、現実は想像以上のスピードで開発が進んでいるようです。サーキットでの自動運転よりはるかに条件が厳しい実際の公道上での自動運転の実験が成功しているとは、驚きです。
今回のアウディの実験に対して、日本メーカーはどういう動きを見せるのでしょうか。興味はつきないところです。
(山内 博)