シリーズ唯一の海外遠征となる6月20日のタイ戦。ここでもGT-Rの強さが光ります。ポールポジションこそ#25 VivaC 86 MCにさらわれますが、決勝スタートではその周のうちにB-MAX NDDP GT-Rがトップ、続く2位にはGAINER TANAX GT-Rが続きます。
B-MAX NDDP GT-Rのスタートドライバーは星野一樹選手、GAINER TANAX GT-Rのスタートドライバーは唯一シーズン通してドライブするアンドレ・クート選手。この2人は3位以下を大きく引き離してレースをリード。
30周あたりからドライバーチェンジのためのピットインが目立ちます。その際、少しでもタイム差を縮めようと#0のグッドスマイル 初音ミク SLSと#7 Studie BMW Z4はタイヤ無交換作戦に打って出ました。この無交換作戦、GT500まで含めて3台がチャレンジしましたが、唯一の成功はStudie BMW Z4のみ。この作戦で3位表彰台を獲得しました。
しかし、そんな3位以下の争いには全く関与しないほどの強さを見せたGT-Rの2台。ドライバーチェンジ後もB-MAX NDDP GT-Rは十数秒というアドバンテージを元に余裕のクルージングを見せていましたが、チェンジしたGAINER TANAX GT-Rのドライバー、富田竜一郎選手はスポット参戦の#28REITER GALLARDOの除くレギュラーチームではファステストラップという1分34秒台で猛追をかけます。結果的には2位でフィニッシュでしたがそのタイム差は9秒台まで縮まっていたのです。
タイ戦直後には謎のルーキーとも言われた富田選手については、後日別項にて紹介したいと思います。
前半3戦を振り返り、目立つのは2015モデルのNISSAN GT-R NISMO GT3の強さです。現在のシリーズランキングもトップがGAINER TANAX GT-Rのアンドレ・クート選手、2位が1点差でB-MAX NDDP GT-Rの星野一樹選手と高星明誠選手。ともにウェイトハンデが75kgを超える状態で迎える8月9日の第4戦富士300kmレースでも強さを見せることが出来るのでしょうか。
7月はつかの間の休息とも言える時期。しかしこの間もドライバーは他のカテゴリーに出場し、チームスタッフやメカニックはタイから戻ってきたマシンのメンテナンスに忙しい時期でもあります。1ヶ月と2週間ぶりに開催されるSUPER GT第4戦富士も目が離せません。
(写真:吉見幸夫(岡山、タイ )・松永和浩(富士)/文:松永和浩)