先代から着実にアップデートされたフォルクスワーゲン・パサートの走り

結論からいうと、28ps/50Nmのパワー、トルクアップは十分に感じられるもので、高速道路に入る際も十分な加速が得られますし、7速DSGの洗練された変速マナーも印象的で、極低速域でギクシャクするような感覚はほとんど抱かずにすみます。

20150625VWpassat_018

乗り心地は硬めではありますが、同じMQBプラットフォームでもゴルフよりも155mmロングホイールベースであることから、前後のピッチングも抑制されている印象。

20150625VWpassat_143

ワゴンであるヴァリアントは、確かにセダンよりもリヤゲートまわりの緩さがあるような気もしますが、新型パサートのセダンとヴァリアントを乗り比べて分かるもので、目隠しされてヴァリアントに乗り込み、前を向いている分にはその差はあまり感じないかもしれません。

17インチを履く「TSI Highline」でもオプションで「TSI R-Line」に用意される19インチでも大きな差を感じさせなかったのも印象的で、おそらくロングドライブになるほどこの硬質な乗り味は、信頼感に変わるのではと予想できるものでした。

20150625VWpassat_192

フロントがマクファーソンストラット、リヤが4リンクというサスペンション形式はゴルフの「TSI Highline」と同じですが、フロントが50mm、リヤで60mmワイドトレッドであるパサートの方が高速域でのスタビリティが高く、タイトなコーナーでの旋回性などは今回確認できませんでしたが、ハンドリングはフォルクスワーゲンらしく素直で安定感のあるもの。

20150625VWpassat_087

トルクとパワーが向上したエンジンはもちろん、別記事でご紹介する世界初を含めた先進安全装備などもあって、パサートの巡航性能は間違いなく向上しているはずで、戦略的な価格も魅力ですから長距離移動の相棒を探している方は検討してみてはいかがでしょうか?

■VW「新型パサート」画像ギャラリー ─ 質感をさらに磨き上げた内装と広大な荷室が光る
https://clicccar.com/2015/07/19/317931/

■VW「新型パサート」画像ギャラリー ─ 不要な線はひとつもない、無駄をそぎ落とした外観デザイン
https://clicccar.com/2015/07/18/317908/

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる