【意外に知らない素朴な疑問】選挙カーの値段を知ってますか?

選挙区内をどこまでくまなく走り回れるか!

election005では、実際に選挙カーはどのように運行されているのでしょうか?

選挙カーのレギュレーションで見てみると、毎日午前8時から午後8時までの間に限って、自動車からの連呼行為が許されています(写真の許可プレート必携)。ただし、学校、幼稚園、保育園や病院、診療所などの診療施設周辺はNG。さらに、移動なしで同一場所での拡声器使用は1回10分、1回につき15分以上の休止時間をおく必要がある、といった具合になかなかこと細かく決められています。むやみやたらと大きな音声でがなり立てていると思われるかもしれませんが、拡声器からの音量は騒音の規制基準値プラス10デシベルまで、と決められており、候補者側もそれなりに配慮もしています。

選挙区内の全戸に声を届けたい、という候補者の思いを汲み取り、選挙カーは選挙区内をくまなく回ります。くまなく、とはその言葉の通り、選挙区内にあるクルマが通れる道はすべて、という具合です。そのため、選挙カーのドライバーに必要とされるのは、運転技術以上に『どこまで道を知っているか』と思われます。住宅街の中の道路を熟知していれば効率よく声を届けることができるわけです。車載カーナビはもちろん、選挙区のマップを持ち出して、実際にどこをどう回ったのかを記録しながら選挙カーは突き進んでいきます。

DSC_0006election006看板を載せた車両となると、全高への配慮も重要となります。特にワンボックス車の場合相当な高さとなるわけです。今回の取材対象車両で全高2.8mです。高さ制限のある高架下やトンネルはもちろん、住宅街では、各家庭の庭木にも注意する必要がでてきます。庭木で候補者の顔写真を傷つける、なんてことがあったら大変ですからね。

DSC_0004こんな時期にクルマを運転していて、選挙カーの後ろに付いてしまってイライラしたことがあるドライバーの方も多いでしょう。選挙カーは、どうしてもノロノロと走っていきたいものです。そのため幹線道路はできるだけパス して、住宅街を重点的に走行する、というパターンが多いです。後続車が付けば、すぐに道を譲って、そちらへの配慮も忘れませんよ。

数年に一度の出番を待つ選挙カー。実は、選挙カーをじっくりとチェックしてみると、各陣営の動きもわかる! かもしれませんよ。

(文・写真:青山 義明)

この記事の著者

青山 義明 近影

青山 義明

編集プロダクションを渡り歩くうちに、なんとなく身に着けたスキルで、4輪2輪関係なく写真を撮ったり原稿書いたり、たまに編集作業をしたりしてこの業界の片隅で生きてます。現在は愛知と神奈川の2拠点をベースに、ローカルレースや障がい者モータースポーツを中心に取材活動中。
日本モータースポーツ記者会所属。
続きを見る
閉じる