ずばり、約50万円から上は数百万円!
多くの場合は、普通のレンタカーを借りてきて、そこにさまざまな選挙用の機器を装着していきます。つまりレンタカーだけでなく、車両の仕立てが別に必要となりますね。そのクルマの装備は、まさにピンキリ、ということになります。
クルマに乗せるフレームが10~15万円。看板と照明でさらに10~15万円。また、車両のルーフにはスピーカーを載せるわけですが、そのレンタルも数十万円(スピーカーの性能により異なります)。また、アンプもスピーカーに対応したものが必要です。そして、候補者やウグイス嬢が使うマイクも複数本必要となりますが、これも松竹梅とあるようです。
このあたりは候補者のこだわりが詰まってくることになるわけです。自らが発する声をより鮮明に多くの有権者に伝えたい、という想いが強ければ強いほどマイクやスピーカーは上級グレードになっていくわけです。ちなみにこのI議員は、スピーカーとマイクを自前で用意しているほど、です。
その他、専用のバッテリーや充電器、インバーターやアイソレーター変換機器などが必要で、その取り付け工賃、調整、さらには管理保守費などまでを入れるとまだまだかかることになります。
レンタカー会社によっては、最初から選挙カーをオールレンタルのパッケージ車として貸出している会社があるようです。その場合、軽自動車なら20万円くらいから、ハイエースクラスで30万~50万円くらいのリーズナブルなプライスでの提案もあるようです。しかし、クオリティなどで納得できなかったり、妥協できない部分などこだわりがあると、選択肢には挙がってこないとも…。
また、看板その他、この施工などを行うのも、地元の支援者の業者、という選択となることが多くなります。選挙区内に施工ができる業者がいるのによその業者を使う、なんてことはできませんからね。そのため、最終的なコストは若干高くなってしまいがちとも。しかし、ここには目をつぶるという候補が多いことは確実ですね。ちなみに、こだわりを持つI議員の場合は、この看板の照明を中から当てる透過式照明の看板を採用していました。
あれもこれもとやっていくと、お金はいくらあっても足りません。選挙カーといえば、ワンボックスカーに候補者の名前の入った看板を載せる、というイメージですが、中には看板を載せずに車体にポスターを貼ったりして済ますところもあるようです。また、選挙経費を抑えるために、普段から使用している所有車の軽ワンボックスやワゴン車を選挙カーに仕立てる場合もあるようです。
ちなみに、レンタカーのような「有償で選挙運動用自動車を使用した場合」は、一定限度内での公費負担で補助されています。レンタカー代は1日上限1万5300円(つまり9日間で13万7700円)が公費負担されます。燃料代(ガソリン又は軽油代)も同じで9日間の上限は6万6150円。これらは、選挙管理委員会に請求して公費から負担してもらうことになります。
この選挙カーのドライバー費用も同様に、上限1万2500円(朝8時から夜8時までの12時間の拘束)、選挙カーに乗り込み、候補者の名前を連呼したり政策の説明をする、いわゆるウグイス嬢は、上限日当が、1万5000円。ついでに挙げると事務員の上限日当1万円といった具合で補助されます、いずれもその支払人数が限られており、全て選挙管理委員会に事前に登録しなければなりません。