段差が連続する西湘バイパスに移動すると、セダンらしく強固なボディ剛性感があり、S4よりも乗り心地は当然ながら良好で、とくにハーシュネスの改善ぶりが印象的です。
S4と比べると、グランドツーリング的と冒頭で紹介しましたが、箱根ターンパイクで走らせてもボディサイズを感じさせないハンドリングで、コーナーでの車両の傾きも抑えられていますから、「意外にスポーティに走るじゃない!」と思う方も多いかもしれません。
また、S4よりも前が50mm、後が45mmワイドなトレッドも効いているのかもしれませんが、それでも決して「曲がらない」わけではないですから、ハンドリングと直進安定性の両立はお見事。
試乗車の「Limited」には、「スタブレックス・ライド」というダンパーのピストン速度に応じて減衰特性の設定が可能なダンパーが装備されていますが、コーナリング時の安定性は確かに納得できますが、荒れた路面をゆっくり走る際は減衰力の効いた乗り心地になるものの、もう少し洗練されると上級セダンに相応しい品格も漂う気がします。
今回の試乗ステージである箱根ターンパイクで気になったのは、ある程度の速度域以上での旋回時にパワステの手応えに違和感を覚えることが度々あった点で、電動パワステの感覚が急に「グィ」っと変わる感じがどうも気になりました。
これは、「アイサイト」のレーンキープをオフにした状態だったので、車両研究実験の方に伺うと、スバルでも当然ながら把握していて、セッティングの難しさなどからくるもののようです。
もちろん安全性に問題があるわけでなく、そうしたシーンではナチュラルなハンドリングが若干スポイルされるかな、という重箱の隅を突っつくような指摘ではあります。
レガシィB4でこうした走らせ方をするケースは少ないはずで、また175ps/235Nmの2.5L水平対向エンジンも決して速くはありませんが、まさに必要十分であり、キャラクターを考えると納得。
素直なフットワークと安定感が印象的なB4は、アウトバックも含めてクルマを何台も乗り継いできた人やゆったり趣味を楽しむような、余裕のある人に向くモデルなのは十分に確認できました。
■スバル「レガシィB4」画像ギャラリー ─ 力強さと洗練されたデザインが魅力の大型セダン
https://clicccar.com/2014/10/29/275352/
■スバル新型レガシィB4に公道試乗。万人向けになったボクサーセダン
https://clicccar.com/2014/11/08/277173/
(塚田勝弘)