まず、スカイアクティブテクノロジーや魂動デザインの成功について聞きました。
「2012年5月より販売開始したCX-5からフルスカイアクティブ搭載車となり、デザインも魂動デザインを採用しました。おかげさまでCX-5は日本カー・オブ・ザ・イヤーを頂きました。その後発売したアテンザ、アクセラそして昨年、日本カー・オブ・ザ・イヤーを頂いたデミオも非常に高い評価をいただいておりまして、マツダに対するお客様の見方は変わってきたという手応えは十分感じています。」
続いて、マツダのクルマ作りが成功しているという要因はどこにあるのを訪ねました。
「2002年に初代アテンザを発売したときから使用しているコピーがマツダらしい「Zoom.Zoom」。これは英語でブーブーという意味で、子供の時に動く物に憧れて、子供がブーブーと言ってクルマのおもちゃで遊んでいるということです。そのモノを動かす楽しさ、走る楽しさをぶれることなく追求していることが認められたのではないかと思っています」
「もちろん燃費も訴求はしていますが。しかし我々は走る楽しさを前面に押し出して、乗ってみたら燃費も良かった、そういうスタンスで臨んできたのがお客様に受け入れられているのではないかと思っています」
ガソリンもディーゼルエンジンもまだ進化の余地はあるかどうかを聞いてみます。
「いや、まだまだエンジンは改善の余地は山のように残っています。まだ、30〜40%改善ができます、そこを目指してやるということです。」
マツダは以前、エンジンをダウンサイジングを目指してミラーサイクルを出しました。しかし現在のマツダは自然吸気にこだわっていることを聞きました。
「我々はスカイアクティブで非常に圧縮比を上げました。圧縮比を上げると中高負荷は圧縮比が効いてきます。一方の小排気量ターボなどの過給ダウンサイジングは過給しますので、スカイアクティブのように圧縮比を上げることはできません。どれだけ、排気量を小さくしても中高負荷は圧縮比が効いてくるので、我々の方が排気量が大きくても燃費が良くなります。したがってカタログの燃費モードならば、小排気量は比較的燃費を出しやすいですけど、実際に皆さんが加減速のある運転をしたら、我々がやっている高圧縮比のほうが、実用燃費は良くなると思っていますし、コストも安いです。間違いなく」と力強く話します。
最後にスカイアクティブの未来について訪ねてみました。
「我々は2Lエンジンでも1Lの過給エンジンよりすべての領域で燃費がよくなるという研究もしていますので、排気量が大きいというのは燃費も走りもすべて良くなるというものにしていきますので。楽しみにしていてください。」とのことです。
運転が楽しくてしかも燃費の良いクルマ作り。今後のマツダのスカイアクティブテクノロジーの進化からは目が離せません。
(文・萩原文博/Photo&Movie・前田惠介)