解決策として考えたのは、それぞれの素材の良さを引き出して作り込めば、それぞれが響き合うと考えたとのこと。
たとえば、「バックスキン調の素材をどう縫えば高級感を引き出せるか」や、「パイピングの幅や深さ、色まで何度もトライ&エラー」したり、「粘土でステッチの断面を再現」したりするなど、モデリングや3次元CGで測定するなどして作り込んでいるそうです。
端的に現れているのが、メーターフードのステッチだそうで、このクラスでメーターフードにステッチを施しているモデルは少ないのでは、と自信を見せています。
また革仕様は、シフトノブにもステッチを施すなど、クラスを超越したこだわりを表現。
このクラスだと、白黒ツートンと革内装で終わらせるくらいが多い中、カラーコーディネイトは3つ用意されています。
レザーパッケージのブラックとホワイトの2トーン内装は、ダークグレーの差し色を配し、ブラック内装は赤いアクセントをニーパッドやドアトリムなどに配し、また一部に合皮を使うこだわりも強調。
ファブリック仕様は、「上級仕様からの剥ぎ取りの仕様」とはせずに、ルーバーに赤い塗装を施し、単純にグレーにならないようにグレーとブラックのコンビネーションとするなど、しっかり作り込みをしているそうです。
そして、色でいうと「100を超える試作の中から理想の赤」を追求しているのもポイント。
赤は表現の幅が広く、玩具のような楽しい赤からボルドーのような大人の雰囲気の赤まで、たとえば黒と比べても表現の幅が広いと考え、微妙に青みを持ったダークレッドをルーバーやソフトパッド、シートのパイピングなどに同じイメージになるように、同じ赤を使うのではなく、それぞれの赤を調整して配色するという、徹底したこだわりぶりです。
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(塚田勝弘)