今回の不具合はNHTSA(米運輸省道路交通安全局)が今年の10月20日に安全上の観点からリコール対象となっている米ユーザー向けに「直ちにリコールに応じるように」との緊急声明を発表したことから全米で大きな話題に。
おりしもNHTSAはGMの10年以上に及ぶ「イグニッション・スイッチ」の重大不具合隠蔽問題に関する情報開示の遅れで米国民から不信感を買っているようで、新聞報道などによると信頼を取り戻すのに苦心している状況とか。
そうした中、同局は当初不具合発生の傾向から米国の高温多湿な4地域限定で不具合調査を粛々と進めていましたが、その後急遽、原因が特定できないまま11月26日にリコール対象を全米レベルに拡大。
日経新聞によればその背景には11月の中間選挙で大勝した共和党がオバマ政権叩きの格好の材料に今回のタカタ問題を利用、オバマ氏が共和党への対抗上、大規模なリコールで強硬姿勢をとらざるを得なくなったという事情が有ると分析しています。
そもそも自動車のリコール問題に関して、11月20日に開かれた米上院の公聴会で部品メーカーが呼び出されて答弁を求められるのは異例のこと。
米国としても自国の主要自動車メーカー3社が絡む問題であることに加えて、不具合に関連する自動車メーカーが広範囲に及ぶことから、共通化が進むインフレーターを製造した日本の部品メーカーに追求の矛先を向けたものと推測されます。
高田会長がメディアの前に未だ姿を見せず、説明責任を果たしていないなどの厳しい声が有るようですが、同社は会長名義で12月18日、米・独の主要紙にエアバッグが原因で亡くなった乗員や遺族への謝罪広告を掲載。リコール用対策品の生産能力増強に取り組んでいることなどを訴えています。