原油価格の低下が北米でプリウスの販売を直撃!?

原油価格が下落したのは米国や中国、欧州などの経済情勢を反映して原油需要が減速する中、OPEC(石油輸出国機構)が減産に踏み切らなかった事から原油がだぶつき始めた事に起因している模様。

加えてサウジアラビアが米国のシェールガスに対抗してシェア維持を目的に原油価格を引き下げた事も影響しているようです。

これは消費税増税と相まって、ガソリン価格の高騰で維持費に悩まされている自動車ユーザーにとっては大いに嬉しい現実と言えるでしょう。

TOYOTA_Prius_V

一方の自動車メーカーに於いてもガソリン価格の低下は「吉」と出そうなものですが、北米市場で意外なシワ寄せが出ていると言います。

具体的にはガソリンが安くなったことで販売が好調だったプリウスなどHVの優位性が薄れ、以前にも増してピックアップトラックや大型SUVの販売が上位を占める傾向にあるようです。

トヨタ自動車は今年1-11月の間に北米で約216万台(前年同期比+5.6%)の新車を販売したものの、国内から輸出しているプリウスの来年1月の生産計画については約1万1600台から▲25%減の約8800台に下方修正した模様。

TOYOTA_Prius

ただ、プリウスについては先日の記事でも触れたとおり、現行モデルがデビュー後、既に5年半以上経過しており、モデル末期を迎えている事も一因。

とは言え、北米に於ける低燃費車の販売台数は総じて下降気味で、自動車各社にとって原油価格の低下は意外にも痛し痒しの状況となっているようです。

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 Avanti Yasunori 

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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