水素の効率的な輸送、貯蔵に期待! 川崎重工が純国産独自技術の水素液化システムを開発

川崎重工が産業用初の純国際独自技術を活用し、水素液化システムを開発、水素液化試験を開始すると発表しました。

今回開発された水素液化システムは、播磨工場内の水素技術実証センターに設置される施設で、1日あたり約5トンの水素を液化する能力を有しているそう。

本システムは、水素液化機、液化した水素を貯蔵する液化水素貯蔵タンクなどで構成。同社独自の極低温物質のハンドリング技術や高速回転機械の開発で培ったタービン技術が活用されています。

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同システムでは、圧縮した水素ガスを冷凍サイクルで冷やされた水素と液化機内で熱交換しながら冷却することで液化水素を製造。

開発後の試運転で液化水素の製造が確認され、これにより本格的な性能評価試験へと移行します。

12月15日に発売されるFCVのトヨタ「MIRAI」や来年発売される予定の「HONDA FCV CONCEPT」など、燃料電池自動車の市販化が一歩踏み出しています。

従来よりも水素利用の拡大が予想される一方で、水素を市場に大量導入するためには、効率的な輸送・貯蔵システムの確立が欠かせません。

水素は液化すると体積が約800分の1になり、輸送しやすく、利用時は蒸発させるだけで高純度の水素ガスが得られることから、川崎重工では液化水素を中心とする水素サプライチェーンの構築に取り組むとしています。

※写真:川崎重工業

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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