スバル新型レガシィがビルシュタインもアルミ製サスアームも使わない理由

2014_BN_BS_stabrex

まずダンパーについて。上級「Limited」グレードでは、専用に『スタブレックス・ライド』というKYB製ダンパーを採用しています。

その特徴は、ピストン下のリーフバルブと接する面の形状を工夫することにより、ピストン速度の遅い領域で減衰力を一気に高めるようにしていることにあります。

ピストン速度の遅い領域というのは車体がロールしているようなシーンのことで、ビルシュタインを含めて通常のダンパーでは、この領域での減衰力を高めると、ピストン速度の速い領域まで比例的に減衰力が高くなりがちです。

一方、ピストン速度の速いシーンというのは荒れた路面を走り抜けるようなシチュエーションで、つまり乗り心地がコツコツとしてしまう傾向にあるというのです。

しかし、スタブレックス・ライドと名付けられたLimitedグレード用の足回りでは、ピストンスピードの速い領域と遅い領域で減衰特性を大きく変えることができるので、コーナリング時の安定性と荒れた路面での乗り心地を両立できるというのです。

実際、それほど荒れていない舗装路でも、二面性を持つというスタブレックス・ライドの効果は感じられるものでした。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
続きを見る
閉じる