スバルWRX STIを富士スピードウェイで試乗。サーキットでも安心安全

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教科書的なエネルギー効率でいえば、直噴ターボとリニアトロニックの組み合わせに対して、ポート噴射の低圧縮比ターボと6MTのコンビネーションでは敵わないかもしれません。

しかし、スポーツカーとしての「コントロールしている」という満足感はSTIが圧倒的に優っています。

その理由は、減速比をドライバーが完全に管理下におけるマニュアルトランスミッションであること。ひとつのギアにおいて幅広い回転数を使えるワイドレンジのエンジンであることが効いています。

そして、なによりもアマチュアがサーキット走行でエンジンを全開にしても恐怖感を覚えないほど、見事に調教されたシャシー性能がポイントです。

シャシー性能とエンジンパフォーマンス、ギリギリのバランスで走らせることが速さにつながるのでしょうが、もっと入門レベルの、あくまでサーキット走行を気軽に楽しむという走りでは、少々の無茶でスピンしてしまうような気配もなく、本当に怖さを感じないのです。

富士スピードウェイ本コースを走った、どの車両においても、245幅のタイヤはサイドウォールが新品同様で、トレッド面だけをしっかり使っていることが確認できました。これも、優れたシャシー性能を示すエピソードではないでしょうか。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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