2013年暦年(1-12月)の世界販売台数で973万台と、GMの971万台を抑えて首位のトヨタ自動車(998万台)に次ぐポジションに付けたVWグループ。
2018年までに世界販売で首位を目指す同社は今年3月、中国市場での好調を受けて年間販売1,000万台への到達目標を4年前倒し、「今年中に達成する可能性が有る」と発表しました。
そうした中、回復基調の欧州における今年1‐5月の乗用車販売台数は前年同期比で+7.2%、最大市場の中国で同+18.6%と好調が続いていますが、意外や米国に於けるVW車の販売は-11.5%と落ち込んでおり、シェアを0.4ポイント落としています。
この傾向は5月単月で見ても前年比‐15.4%と顕著で、同グループの世界販売の足を引っ張っている状況。
その理由はシェール革命によるガソリン価格の安さも手伝って、米国で再び大型ピックアップトラックやSUVが人気を博しており、同社のSUV系の品揃えが不十分な事に起因している模様。
これはロシアに於いても同様な状況で、前年同期比‐9.7%と落ち込みが目立ちます。
これまでVWはハッチバックの「Golf」やセダン「PASSAT」などに主力を置いて来たことがSUV人気が高い米露で遅れをとる要因となっているようです。
今や世界的に見てもSUVの需要が高まっており、2018年には世界生産台数に占める割合が20%を超える勢いと言います。
ブルームバーグによると、こうした状況を受けてVWは今後数年で最大6モデルのSUVを発表する計画とか。
VW傘下のポルシェは4月からドイツでコンパクトSUV「マカン」の販売を開始、同傘下のアウディも2016年に4モデル目となるSUVを導入する計画のよう。
収益性の面ではSUVの方が他の車種よりも高い傾向で、VW高級車部門のベントレーが世界で最も高価なSUVを投入予定。
さらには同スーパースポーツ車部門ランボルギーニについても2017年にSUVの導入を検討している模様。
対する日本市場ではエコ意識の高まりによりコンパクトカーや軽が主流化しており、これまで人気だった大型ミニバンについても自動車各社がセダンへ需要をシフトさせようと画策中。
このように国別に需要が大きく異なることから、特定ジャンルのクルマで世界販売を押し上げる事が難しくなっており、好調なVWと言えども適材適所の商品導入が求められているようです。
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