日本勢はHVやPHVなど、モーターと電池を追加して一気に燃費向上を図りました。
対するVWやダイムラーなどドイツ勢はCO2低減のため、従来型エンジンをまず小排気量化、出力低下分を小型ターボで補うことで従来の走行性能を損なわずに燃費を向上させる手法を選択。
電動車はエンジン車よりも車両価格が高くなる傾向で、余りコストがかけられない新興国向け等のクルマでは従来型エンジンの改良が急務となっています。
そうした背景も有り、HVのシェアは日本では約30%と高いものの、米国では約3%、また中国でも現時点では1%に満たないのが実情。
IEA(国際エネルギー機関)の調査によると、化石燃料を使用するエンジン車は2030年においても世界の8割以上を占めると予測。
そこで日本勢でもトヨタがHV用エンジンで培った技術で従来エンジンの燃効率を引き上げる等の改良を直近のマイナーチェンジモデルでスタートさせました。
一方、EVに主力を置いていた日産は資本・業務提携先のダイムラーがメルセデス・ベンツ用に開発したダウンサイズ・ターボエンジンの供給を受けて燃費を稼ぐ作戦に。
その第1弾となるの今回スカイラインシリーズに追加設定された「2000GT-t」。
このターボエンジンはその出力特性からメルセデス・ベンツA/B/CLAの各クラスの上級スポーティ・グレードに搭載されているものと推測されます。
同社ではこのエンジンを「次世代ターボチャージャー付ガソリンエンジン」に位置付けており、ノンターボの2.5Lエンジンに匹敵する力強さと加速性能を実現したとしています。
「アイドリングストップ」、「直噴ガソリン機構」、「可変バルブタイミング」、「電動油圧パワーステアリング」、「充電制御」などの採用によりJC08モード燃費は13.6km/Lと、前型比で約20%向上。
設定グレードは3種類で価格等は以下となっています。(6月5日発売)
販売目標台数 200台/月
発表展示会 6月7日(土)、8日(日) 6月14日(土)、15日(日)
新生スカイラインのキャッチコピーは「さあ、日本のプレミアムを騒がそうか」。
ドイツ勢が占めるプレミアム市場を同車がどこまで切り崩せるかが注目されます。
■日産スカイライン 200GT-t Webサイト
http://www2.nissan.co.jp/SKYLINE/point_turbo.html
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