キャンピングカーは高級化の傾向へ【ジャパンキャンピングカーショー2014】

3〜4年前から、「車中泊」というレジャーが流行語として取り上げられたことがあります。

道の駅や高速のパーキングエリアなどの場所で、自動車の車内で宿泊して旅することを指す訳ですが、このところあまり話題になっていないのは、マスコミが飽きたのか、定着して話題にならないのか、レジャーとして下火になったのか、ハッキリはしません。

Japan Campingcar Show2014_01

ですが、そのブームとなってきたころ、さまざまな問題も投げかけていました。

まず、道の駅やPAなどで車中泊していいのか?ということです。

車中泊そのものは、車内で寝ることで、誰にも停められることのできないことでしょう。むしろ長距離ドライブの途中では仮眠しましょう、と勧めているくらいです。

でも、仮眠とホンキで寝ることの境はハッキリしないし、何日もクルマを停めていたり、お土産物を買わないのにトイレは汚すはゴミは捨てていくは、なにかとトラブルもあったようです。

そのころキャンピングカー業界も、ふたつに意見が分かれていました。

車中泊愛好者がそれをきっかけに本格的キャンピングカー所有者の予備軍になってくれるのではないか、という期待と、マナーの悪さなどをきっかけにキャンピングカーユーザーが悪者扱いされるのではないかという懸念だと思われます。

今回のキャンピングカーショーでは、以前より車中泊仕様=やや安めの簡易型キャンピングカーの出展が減ってきたかな、というのが印象に残りました。

もちろんここでも消費税増税の駆け込み需要はあるようですが、比較的高めの商品の動きがあるとのことです。

会場も、従来はよく見られた「街道沿いの中古車センター」によく見られるような安売り風ののぼりでブースを飾るのを禁止として(取材、撮影する側としてもあの美しくないのぼりは大変迷惑でした。意味ない道路の標語のように)、余裕のある人が安いものでなくいいものを選びにきた雰囲気が出ていたと思います。

これまたブームとなった主に軽トラベースの「軽キャン」の出展も減っていたようです。

クルマとして考えると販売台数は一般車と比べ物になりませんが、レジャーの道具としては大きなマーケットとも言えるキャンピングカー。ショー 会場は昨年と同様スペースながら飲食、休憩スペースが会場から追い出されたカタチで、実質利用面積は広がったようです。車中泊ブームよりもっと昔、古くは節税(脱税?)のためのキャンピグカー登録ブームなどもあり、色んな局面を乗り越えてきましたが、これからブームに左右されない実の部分で着実に伸びていくのでは、と感じられました。

(小林和久)

<外部リンク>
ジャパンキャンピングカーショー2014 http://www.camp-rv.com/ 

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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