2013年はトヨタプリウスの寡占状況から一転して、新しいメカニズムや価値を取り入れた国産ハイブリッドが続々と登場した年でした。先日発売された「2014年新型国産車のすべて」でも、「ハイブリッド躍進の年」と銘打って、巻頭特集がドドーンと組まれています。
まず2013年を振り返ってみましょう。ホンダは、燃費NO.1の旗印の元、従来型HVのIMAシステムを廃止して、全く新たに1モーターと2モーター式の直4HVユニットを開発。それぞれフィットとアコードに搭載しました。マツダは、トヨタからHVユニットを調達してアクセラに搭載し、スカイアクティブ技術による走りのHVを訴求しています。そしてスバルは、独創の水平対向+4WDのシンメトリカル4WDシステムに、HV機能を追加する道を選択。XV搭載してエコ性能を向上させて、スバル独自路線を更に進化させてきました。
どのHVシステムも、大変な技術力が必要です。中でもスバルの場合、水平対向+4WDが基幹システムですから、ホンダのような総取っ替えはないでしょう。また世界唯一のシステムなので、マツダのようにトヨタのHV技術を借用することもできません。スバルは、長年の地道な研究によって全く独自のHV技術の開発。独創のシンメトリカル4WDシステムに、HVをアドオンすることに成功しました。そしてアーバンSUVのXVに搭載することで、伝統のシンメトリカル4WDに新たな可能性を見出したのです。
今後も国産ハイブリッド車は、ミニバンやSUV、スポーツカー等のジャンルを超えて続々と採用されてくるでしょう。きめ細かい制御を要するHV技術は、まさしく日本のお家芸だと思います。今後の多彩なHV・PHV展開が大いに楽しみです。
(拓波幸としひろ)