国内新車販売復調の兆しが鮮明になっており、1-11月の累計販売台数は495万台と、昨年の537万台に続き2年連続で500万台を超える公算が濃厚。
同期間に於ける販売内訳は登録車が301万台(同-5.3%)、軽自動車が194万台(同+4.8%)と登録車に比べて軽自動車が伸びており、全体の約4割を占めています。
20年間に渡る国内新車販売の推移を改めて俯瞰(ふかん)して見ると、総販売台数は1996年の約708万台をピークにその後年々下降傾向を辿っており、その理由が登録車の販売減少である事がグラフから読み取れます。
販売が安定している軽自動車の比率が近年になって相対的に高まっている構図。
続いて2013年度の国内販売推移を見てみましょう。
11月の総販売台数は約46万台(+16.1%)で内訳は登録車が28万台(+13.3%)、軽自動車が18万台(+20.7%)と好調で、何れも前年実績を上回わっています。
前年同月比率が6月以降から上昇し始め、9月には一気に+17%まで到達、相次ぐ新車の投入も奏功してその後も伸びを維持しており、4月の消費税増税に向けて既に駆け込み需要が始まっている事を物語っています。
新聞報道によると、駆け込み需要は40万台規模にまで膨らみ、2014年度にその反動が出て販売が急減する可能性が有るとしています。
政府が纏めた「2014年度税制改正大綱」に沿って4月の消費増税(8%)時に現行の自動車重量税が見直され、11年超以上の経年車の税負担が増える一方でエコカーの減税がさらに拡充されるなど、エコカーへの買い替え誘導も駆け込み需要を助長。
自動車業界では1997年に消費税が3→5%に増税された際、新車販売が駆け込み需要後に100万台以上急減(グラフ参照)したことから、2014年4月以降に同様な状況となる事への不安が広がっています。
自動車各社は国内生産維持に向け、輸出に頼らざるを得ない状況となりそうで海外生産分を一部国内へ戻すなどの操作が必要となるかもしれません。
今や国内市場は軽自動車の販売で凌いでいるのが実情で、来年に予想される登録車の販売減を如何に魅力的でリーズナブルな商品投入でカバーするかが今後の勝敗を左右することになりそうです。
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