12月11日、政府税制調査会がまとめた2015年10月の「自動車取得税」廃止に伴う自動車税制変更内容が明らかになりました。
その中身はこちらで詳しくお伝えしたとおり、自動車業界が消費増税に伴う新車販売の落ち込みに備えて、かねてから政府に要求していた意向とはかなり異なるものになっています。
まず「自動車取得税(地方税)」撤廃については政府が自動車業界の要求を呑む形で消費増税10%時に廃止を決定したものの、その際に必要となる約1,900億円の財源を同じ地方税枠の「自動車税」や「軽自動車税」の増税に向けました。
これにより、毎年自動車ユーザーが納税する「軽自動車税」が2015年4月以降、新車を対象に1.5倍の増税となり、さらには2015年10月以降、全てのクルマを対象に環境性能に応じた増・減税制度が新たに適用されることに。
そして自動車業界のもう一つの要求であった「自動車重量税(国税)」撤廃に対してはエコカー減税をより拡充する一方で、11年~18年経過した旧型車を増税する方向としています。
このように今回政府がまとめた自動車税制改定案は経済産業省が事前に指摘していた「軽自動車は地方では生活の足であり、負担増にならないようにしたい。代替財源は自動車関連税の中ではなく、税全体で議論するのが本来であり、取得税廃止がユーザー負担減に繋がるようにすべき」の見解に対しても大きく反れる状況。
本来あるべき姿は国税である消費税の増税分の中から不足財源を捻出するのがスジながら、政府は財源の発掘過程で「財布が違う」ことを盾に自動車以外の国税からの財源捻出には一切触れておらず、自動車の増税に関しては「地方税」と「国税」の両方を対象にしている点は見逃せません。
今回の政府最終案では「自動車取得税」の廃止に伴い「軽」と「旧型車」が増税となる訳ですが、「軽」の増税には勿論、二輪車、原付も含まれています。
排気量250cc超の小型二輪車は現状4,000円→6,000円に、50cc以下の原付バイクについては現状1,000円→2,000円に増税に。 (その他の二輪車は1.5倍に増税)
このように政府が纏める「2014年度税制改正大綱」は2輪を含めて当面新車を買う予定が無いユーザーに対しても増税の影響が及ぶ内容となりそうな状況。
結果的に自動車メーカー各社からの要求を利用した形で税制改定が進んでいるとも言えそうで、名実共に自動車ユーザーの税負担が軽減される日はまだまだ遠そうです。
■軽自動車税(総務省)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000249723.pdf
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