たった1.6Lでもフォード・クーガは走るのか!?

2010年10月に発売された初代フォード・クーガから3年足らず。早くも2代目へとフルモデルチェンジを果たした新型クーガに乗ってきました。先代の直列5気筒2.5Lターボから、直列4気筒1.6Lターボの「EcoBoost(エコブースト)」を搭載したのが新型クーガの目玉のひとつ。

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ダウンサイジングとシリンダーレス化という時代の流れを採り入れたとはいえ、その大胆な取り組みから生まれたNEWクーガの走りっぷりに興味津々。

兄貴分のフルサイズSUV・エクスプローラーも2.0Lエコブーストエンジンが約6割と絶好調でバックオーダーを抱えているそうですし、試乗のメインステージも急勾配が続く箱根ターンパイクですから自信のほどがうかがえます。

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とはいっても先代よりも95mmも全長を延ばし(全幅と全高は10mmマイナス)、ハイテンの採用や新しい手法でダッシュボードまで軽くするなど、軽量化されているとはいえ、50kg重くなったボディですから走らせるまでは何ともいえません。

1.6Lのエコブーストエンジンは、182ps/5700rpm、240Nm/1600-5000rpmと、先代の200ps/320Nmから出力もトルクもダウンしていますが、燃費は10・15モードに換算すると20%超アップしているとのこと。

まず、Dレンジに入れたまま料金所を出て急な上り坂を登っていくと、あっという間に先行している速めの一般車に追いついてしまい、普通に走る分にはまったくパワー不足を感じさせません。

数値どおり、先代よりも中低速域のトルクがやや細い気もしますが、ターボの立ち上がりは自然でラグも少ないですから物足りないということはありません。

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ATは先代の5段から6段になり、ギヤレシオの見直しで燃費だけでなく、変速がよりスムーズになったのも朗報。

もの足らないのは、新型フォーカスと同様にパドルシフトの設定がないことで、これはインポーターも頑張っているはずですが、せっかく走りが自慢のフォーカスとプラットフォームを共有するこのクーガにも欲しいところです。

その代わりシフトレバーには左手の親指で、マニュアル感覚のシフト操作が可能なスイッチが用意されており、パドルシフトよりも使いにくいのは確かですが、それでも慣れればとくにワインディングではありがたく感じます。実際にギヤを1段落とすだけで先行車を容易にパスできました。

さて、クーガといえばSUVでもダイレクト感あふれるハンドリングが身上でしたが、次回レポートします。

■早くも2代目クーガが今秋日本上陸。SUVでも1.6リッターターボを搭載
https://clicccar.com/2013/06/21/223178/

■フォード「クーガ」
http://www.ford.co.jp/suvs/kuga

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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